ストーカー被害から逃れるための完全ガイド|警察相談・接近禁止命令・シェルター活用の手順

温かいランプの下、ソファで電話をかけながら穏やかな安堵の表情を浮かべる30代女性。信頼できる相手に相談する場面。

📌 この記事の結論

ストーカー被害から逃れる3つのステップ

① 緊急の公的窓口

110 / #9110 / 0120-279-889

身の危険を感じたら110/非緊急は警察相談#9110/DV相談プラスは24時間無料・全国対応

② 自分でできる確認

GPS発見の5ステップ

改正ストーカー規制法(R3改正)の合法範囲で自分のスマホ・車を確認。証拠保全も並行する

③ 法的措置の段階

警告 → 禁止命令 → 緊急一時保護

ストーカー規制法第3条/第5条に基づく段階的措置。公安委員会への申出で6ヶ月禁止命令が可能

📞 緊急:DV相談プラス 0120-279-889(24h)/ 110 / #9110 / よりそいホットライン 0120-279-338

「もしかして、つけられている?」――そう感じた瞬間から、この記事はあなたの味方です。ストーカー被害は「気のせい」ではありません。日本ではストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)によって被害者を守る制度が整備されており、警察への相談、警告、禁止命令、緊急時の保護まで、複数の公的支援を無料で利用できます。本記事では「今すぐ何をすべきか」を最優先に、警察相談・接近禁止命令・シェルター・証拠保全の正しい手順を、一次情報に基づいて整理しました。あなたは一人ではありません。

目次

【最優先】緊急時の連絡先一覧(迷ったらまずここへ)

身の危険を感じたら、迷わず110番してください。「事件になる前」の段階でも、警察は相談を受け付けます。下記の窓口はすべて無料で、24時間または夜間にも対応している窓口を含みます。

状況連絡先受付時間内容
今、身の危険を感じる110(警察)24時間緊急通報。位置情報も自動送信される
緊急ではないが警察に相談したい#9110(警察相談専用電話)各都道府県により異なる(多くは平日日中)ストーカー・DV・近隣トラブル等の相談
配偶者・元配偶者からの暴力やつきまとい0570-0-55210(DV相談ナビ)各センターの相談時間に転送最寄りの配偶者暴力相談支援センターへ自動転送
夜間・休日にDV相談0120-279-889(DV相談プラス)24時間(電話・メール・チャット)内閣府委託の総合相談窓口
女性のための相談全般各都道府県の女性相談支援センター(旧・婦人相談所)各センターの開庁時間一時保護・シェルター案内も可
性犯罪・性暴力被害#8891(はやくワンストップ)各センターによる性犯罪被害者支援のワンストップ窓口

📞 すぐに動けない・電話できない場合:内閣府「DV相談プラス」はチャット相談(10種類の言語に対応)とメール相談(24時間受付)も用意されています。声を出さずに相談できます。

本記事は「探偵の教科書」編集部が、ストーカー規制法・DV防止法など一次法令と、警察庁・内閣府・厚生労働省の公開情報のみを根拠に編集しています。特定の弁護士、探偵業者、シェルター施設の斡旋・推薦は一切行いません。緊急対応・法的判断が必要な場合は、必ず警察および公的相談窓口へご連絡ください。

1. まず最初にやること|被害に気づいた瞬間の3ステップ

「相手を刺激したくない」「証拠が足りないから様子を見よう」――そう考えてしまう被害者は少なくありません。しかし、ストーカー行為はエスカレートする傾向があることが警察庁の資料で繰り返し指摘されています。早期に動くことが、自分自身を守る最大の手段です。

ステップ1:身の安全を最優先に確保する

  • 夜間の一人歩きや人気のない道を避ける
  • 自宅・職場・通学路の特定を避けるため、行動パターンを変える
  • 家族や信頼できる友人・職場の上司に状況を共有しておく(孤立しない)
  • 合鍵を持つ可能性がある相手の場合、玄関の鍵を即日交換する
  • SNSの位置情報共有・チェックイン機能をすべてオフにする

ステップ2:証拠を残しながら警察相談の準備をする

警察が動くためには「いつ・どこで・誰から・何をされたか」を時系列で示せる記録が重要です。後述の「6. 証拠保全の実務」を参照しながら、最低限のメモから始めてください。完璧な証拠を集めるよりも先に相談することが優先です。

ステップ3:最寄りの警察署または#9110に相談する

「事件になっていないから受け付けてもらえないのでは」と心配する必要はありません。警察庁は「ストーカー事案は事件化前の段階から相談を受ける」方針を明示しており、相談記録を残すこと自体が後の警告・禁止命令の根拠になります。

2. ストーカー規制法の基礎|何が違法で、警察は何ができるのか

「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(平成12年法律第81号、通称:ストーカー規制法)は2000年に制定され、その後複数回の改正を経て、現在は8つの行為類型を「つきまとい等」として規制しています。2021年の改正では、GPS機器を用いた位置情報の無承諾取得が新たに規制対象に加わりました。

「つきまとい等」に該当する8類型

  1. つきまとい・待ち伏せ・押し掛け・うろつき(自宅、職場、学校等の付近)
  2. 監視していると告げる行為(「今日は赤い服を着ていたね」など)
  3. 面会・交際の要求(拒絶されているにもかかわらず)
  4. 乱暴な言動(大声で怒鳴る、粗野な言動)
  5. 無言電話・連続した電話・FAX・メール・SNSメッセージ
  6. 汚物・動物の死体等の送付
  7. 名誉を害する事項を告げる(中傷・誹謗)
  8. 性的羞恥心を害する事項を告げる、文書・画像を送付する

2016年改正でSNS・メールでのつきまといが、2021年改正でGPS機器による位置情報の無承諾取得・取付け行為が追加されました。元交際相手や元配偶者から「車にGPSを付けられている気がする」というケースも、現在は明確に規制対象です。

「ストーカー行為」と「つきまとい等」の違い

同じ相手に対して上記1〜4および5の一部(電話等)を反復して行うと「ストーカー行為」となり、罰則が適用されます(法第18条)。1回限りの行為も「つきまとい等」として警告・禁止命令の対象になりますが、刑事罰の対象は「反復性」が要件です。

3. 警察への相談手順|どこへ行き、何を伝えるべきか

相談先の優先順位

  1. 緊急時:110番(位置情報が自動送信されるため、外出先でも有効)
  2. 事前相談:警察相談専用電話 #9110、または居住地を管轄する警察署の生活安全課
  3. 女性が相談しづらい場合:女性警察官の対応を希望する旨を最初に伝える(多くの警察署で対応可能)

相談時に持参すべきもの

  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)
  • 被害状況の時系列メモ(日時・場所・行為内容・目撃者の有無)
  • 受信したメール・SMS・SNSメッセージのスクリーンショット
  • 不審な物品(手紙・贈り物など)が届いた場合は現物
  • 相手の氏名・住所・電話番号・勤務先など、わかる範囲の情報
  • 過去の関係性を示す書類(離婚届の控え、過去のメッセージ履歴など)

警察が取りうる対応

  • 口頭・書面での注意(警察官による任意の指導)
  • ストーカー規制法に基づく警告(法第4条、書面で相手に通知)
  • 禁止命令(法第5条、警告に従わない場合や緊急時に都道府県公安委員会が発出)
  • 緊急時の保護措置(一時的な避難先の紹介、パトロール強化、110番登録)
  • 事件化(ストーカー行為罪)として刑事手続へ移行

4. 接近禁止命令と禁止命令の違い|DV防止法とストーカー規制法

「接近禁止命令」と「禁止命令」は混同されがちですが、根拠法・申立て先・手続きが大きく異なります。被害の性質に応じて使い分けが必要です。

項目接近禁止命令(DV防止法 第10条)禁止命令(ストーカー規制法 第5条)
対象となる相手配偶者・元配偶者・事実婚相手・生活の本拠を共にする交際相手恋愛感情・好意感情の充足/拒絶への怨恨に基づくつきまとい等を行う者
申立て先地方裁判所(被害者本人または代理人弁護士)都道府県公安委員会(警察経由で申立て)
主な内容6か月間の接近禁止、電話・メール禁止、子への接近禁止、住居からの退去命令(2か月)等つきまとい等の禁止(期間1年、更新可)
違反時の罰則2年以下の懲役または200万円以下の罰金2年以下の懲役または200万円以下の罰金
緊急性への対応申立てから1〜2週間程度かかるため、別途保護命令の即日処理は限定的緊急時は警告を経ずに即時禁止命令(仮命令)も可能

どちらを選ぶべきか

  • 元配偶者・元同居交際相手からの被害→ DV防止法の保護命令が選択肢に入る
  • 元交際相手(同居なし)・知人・面識のないファン→ ストーカー規制法の禁止命令
  • 身体的暴力を伴う場合→ DV防止法の保護命令が即効性で優位なケースもあり、弁護士・配偶者暴力相談支援センターに相談

なお、両法は併用可能です。実務上は警察と配偶者暴力相談支援センターが連携して対応するケースが多く、まずは相談窓口に状況を伝え、適切な手続きを案内してもらうことが最短ルートです。

5. シェルター・避難の選択肢|公的一時保護を使う

身の危険が切迫している、自宅にいられない――そんな時、無料で利用できる公的シェルターがあります。代表的な制度を整理します。

女性相談支援センター(旧・婦人相談所)の一時保護

  • 根拠法:困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(2024年4月施行)
  • 対象:DV・ストーカー被害、性暴力、生活困窮等で支援が必要な女性
  • 費用:原則無料(食費等は所得に応じて)
  • 期間:通常2週間程度(延長可)
  • 所在:保護施設の場所は安全のため非公開
  • 連絡先:各都道府県の女性相談支援センターまたは「DV相談ナビ 0570-0-55210」

民間シェルター

民間団体が運営するシェルターも全国に存在し、公的機関との連携実績があります。利用にあたっては必ず公的相談窓口(配偶者暴力相談支援センターまたは女性相談支援センター)を経由することをおすすめします。直接インターネット検索で連絡を取ることは、安全性確認の観点からも推奨されません。

避難前にやっておくこと

  • 本人確認書類、健康保険証、母子手帳、印鑑、現金、通帳、薬
  • 子どもの学用品、衣類最低限
  • スマートフォンの位置情報共有設定をすべてオフ(共有家族計画、Find My等)
  • SNS・クラウドの共有設定見直し
  • 住民票の閲覧制限措置(DV等支援措置)の申請を市区町村窓口で行う

住民票の閲覧制限措置は、加害者が住民票の写しや戸籍の附票で被害者の新住所を知ることを防ぐ重要な手続きです。市区町村役場で申し出れば、配偶者暴力相談支援センターや警察の意見を踏まえて措置が決定されます。

6. 証拠保全の実務|何を、どう残すか

警察相談・禁止命令の申立て・将来の民事訴訟、いずれの場面でも証拠の質が結果を左右します。以下のポイントを押さえてください。

記録すべき5項目

  1. 日時(年月日・時刻、なるべく分単位)
  2. 場所(自宅前・職場最寄り駅・通勤途中など、地名と相対位置)
  3. 相手の言動(発言内容は可能な限り原文ママ)
  4. 自分の対応(無視した、その場を離れた、110番した等)
  5. 目撃者・証人の有無、防犯カメラの位置

デジタル証拠の保全

  • SNS・LINE・メール:スクリーンショット+画面収録。日時・送信者IDが映る形で
  • 削除されそうなSNS投稿:URLとともに保存(Webアーカイブも併用)
  • 音声・着信履歴:通話録音アプリで保存(自分が当事者の通話の録音は適法)
  • 不審なメール:ヘッダー情報を含めて保存
  • クラウド・複数デバイスにバックアップ(端末を奪われるリスクへの備え)

探偵業者への調査依頼を検討する場合

所在不明の元配偶者の住所特定や、加害者の素行調査などを目的に探偵業者を利用するケースもあります。ただし、ストーカー被害対応の主軸はあくまで警察と公的支援です。探偵への依頼は「警察相談と並行する補助的手段」と位置づけ、業者選定には十分注意してください。業者選定の基準は探偵の選び方|悪徳業者の見分け方と契約の流れで詳しく解説しています。

7. 警察に相談すべき行為 vs 民事で対応する行為

すべてのトラブルが警察対応になるわけではありません。下記の比較表で、自分のケースがどの窓口に向くかを確認してください。判断に迷う場合は、まず警察または公的相談窓口に話してみるのが安全です。

行為・状況主な相談先適用される法律・制度緊急度
身体的暴力・脅迫・凶器の提示110番・警察署刑法(暴行・傷害・脅迫)、ストーカー規制法★★★ 即時
つきまとい・待ち伏せの反復警察署生活安全課ストーカー規制法★★★ 早期
無言電話・SNSでの執拗な連絡警察相談 #9110ストーカー規制法★★ 早期
GPS機器の取付け・位置情報の無承諾取得警察署生活安全課ストーカー規制法(2021年改正)★★★ 早期
元配偶者からの接触・暴力配偶者暴力相談支援センター・警察DV防止法・ストーカー規制法★★★ 即時〜早期
名誉毀損・誹謗中傷の書き込み警察+弁護士刑法(名誉毀損)・民法709条(損害賠償)★★ 早期
金銭トラブル(貸金返還等)弁護士・法テラス民法・民事訴訟法★ 緊急性低
SNSアカウント乗っ取り・不正アクセス都道府県警察サイバー犯罪相談窓口不正アクセス禁止法★★ 早期

8. 公的相談窓口の活用|無料で使える支援

  • 警察相談専用電話 #9110:ストーカー・DV・近隣トラブル全般の事前相談
  • DV相談ナビ 0570-0-55210:最寄りの配偶者暴力相談支援センターへ自動転送
  • DV相談プラス 0120-279-889:内閣府委託の24時間相談窓口(電話・メール・チャット)
  • 女性相談支援センター:各都道府県設置、一時保護も対応
  • 性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター #8891
  • 法テラス(日本司法支援センター)0570-078374:弁護士費用立替・法律相談(収入要件あり)
  • 子どもの相談(児童相談所)189:子どもへの被害が及ぶ場合
  • よりそいホットライン 0120-279-338:DV・性暴力・LGBT・外国人等、多様な困りごとに対応

法テラスでは収入・資産が一定基準以下の方を対象に、無料法律相談(同一案件3回まで)と弁護士費用の立替制度を提供しています。DV・ストーカー被害の保護命令申立てについては、特例で資力要件が緩和される場合もあります。まずは法テラス(0570-078374)または最寄りの弁護士会DV・ストーカー被害者支援窓口に相談してください。

9. よくある質問

Q1. 警察に相談しても「事件性がない」と帰されたことがあります。もう一度行ってもいいですか?

A. はい、何度でも相談してください。状況の変化(連絡頻度の増加、自宅前への出現など)があれば、対応が変わるケースが多くあります。また、対応に不安がある場合は都道府県警本部の生活安全部門または警察相談専用電話 #9110に相談する選択肢もあります。相談記録自体が後の警告・禁止命令の根拠になるため、無駄になることはありません。

Q2. 元交際相手から「死にたい」「会わないなら何をするかわからない」と言われています。どうすれば?

A. これは脅迫的言動に該当する可能性が高く、ストーカー規制法第2条の「乱暴な言動」「監視していると告げる行為」等にあたる場合もあります。すぐに警察相談 #9110、または最寄りの警察署生活安全課へ。メッセージは消さずにスクリーンショットで保存してください。「相手が自殺するのでは」と感じても、相手の安全確保は警察と医療の役割です。あなたが直接対応する必要はありません。

Q3. 接近禁止命令を出してもらうのに弁護士は必須ですか?

A. ストーカー規制法の禁止命令は警察を経由して都道府県公安委員会が出すため、弁護士は必須ではありません。DV防止法の保護命令は地方裁判所への申立てが必要で、本人申立ても可能ですが書面準備が複雑なため弁護士のサポートが推奨されます。法テラスを利用すれば費用負担を抑えられる場合があります。

Q4. シェルターに入ると仕事や子どもの学校はどうなりますか?

A. 一時保護中は原則として外出が制限される場合がありますが、状況に応じて職場・学校との調整支援を女性相談支援センターのワーカーが行います。子どもについては転校手続きや、加害者に居場所が知られないための住民票閲覧制限措置(DV等支援措置)について自治体担当者と連携して対応されます。「仕事を辞めたくないから避難できない」と一人で抱え込まず、まずワーカーに相談してください。

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10. まとめ|「あなたは一人ではない」

ストーカー被害は、被害者の落ち度ではありません。「相手を刺激したくない」「大ごとにしたくない」と感じる気持ちは自然なものですが、ストーカー行為はエスカレートする傾向があり、早期の相談こそが安全を守る最善の方法です。

  • 身の危険を感じたら 110番、緊急ではないが相談したいなら #9110
  • 元配偶者・元同居交際相手からの被害は DV相談ナビ 0570-0-55210
  • 夜間・休日の相談は DV相談プラス 0120-279-889(24時間チャット・メールも)
  • 避難が必要なら女性相談支援センターの一時保護を活用
  • 住民票閲覧制限措置(DV等支援措置)を市区町村窓口で申請
  • 証拠は完璧を目指さず、まず相談する

日本にはストーカー規制法、DV防止法、女性支援法という三つの法律があり、警察、配偶者暴力相談支援センター、女性相談支援センター、法テラスといった公的機関が無料で利用できます。あなたを守る制度と人は、確実に存在します。勇気を出して、最初の一本の電話をかけてください。そこから安全への道筋が必ず始まります。

参考文献・出典


最終更新:2026年4月26日|執筆:探偵の教科書 編集部|この記事は、編集方針に基づき、e-Gov法令検索・警察庁・内閣府男女共同参画局・厚生労働省・法務省などの公的資料をもとに作成しました。特定の弁護士事務所・探偵業者・民間シェルター施設への推薦・斡旋は一切ありません。緊急対応・法的判断が必要な場合は、必ず警察および公的相談窓口へご連絡ください。

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この記事を書いた人

「探偵の教科書」編集部。浮気調査・探偵業界・慰謝料の制度と過去の裁判事例を、e-Gov法令/最高裁判所の判決/国民生活センター等の一次情報のみで解説。捏造体験談ゼロ、特定業者への斡旋なし。記事は最低2名のクロスチェックを経て公開し、法令改正・新たな裁判で随時改稿。詳細な編集ルールは『編集方針』ページをご覧ください。

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