- 想定依頼者
- 30代 / 女性 / 会社員(事務職) / 兵庫県在住
- 想定期間
- 14日(依頼〜証拠取得まで)
- 想定費用レンジ
- ¥420,000 〜 ¥720,000
- 結末
- 不貞慰謝料250万円で和解(婚姻継続/離婚は保留)
- 参照根拠
- 最高裁第三小法廷 平成31年2月19日判決 損害賠償請求事件(不貞相手に対する離婚慰謝料請求の枠組み)(ほか3件、記事末参照)
「出張帰りの夫から微かに見覚えのない香水が香る」。本記事は、そんな違和感から浮気調査に踏み切った想定ケースを、14日間のタイムラインと約62万円の実費内訳まで開示しながら追います。実在する依頼ではなく、公開されている過去の裁判の実例と公的統計を編集部が再構成した想定ケースですが、数値の出どころと選択肢の比較は競合のどの解説より具体的に書きました。
1. このケースの背景と仮想ペルソナ
想定する依頼者は、兵庫県内に住む30代の女性会社員(事務職)です。夫は40代前半で、東京の本社へ月2〜3回、3泊4日の出張を繰り返しています。家族構成は小学生の子ども1人と義母との同居なし。家計は夫婦折半で、夫の出張経費は会社精算のため家計簿には残りません。違和感の発端は3つ。出張帰りの服から覚えのない香水の匂いがした、出張前夜にスマホの充電位置が枕元から書斎に変わった、土産を毎回買ってきていた夫がここ半年買わなくなった——いずれも単独では確証になりませんが、3つ重なった時点で本人は「自分で見張っても疲弊するだけだ」と判断しました。
2. 依頼に至るまでの経緯
最初の2週間、依頼者は自分でスマホを覗き込み、出張のホテル名を聞き出そうとしました。しかし夫は会社のセキュリティ規程を理由に詳細を答えず、結果として夫婦間の空気だけが悪化します。次に、依頼者は出張先の最寄り駅を新幹線の利用履歴から逆算しようと試みましたが、東京駅と品川駅のどちらに降りているかすら確証が取れません。自力での「証拠固め」は3週目で限界に達し、依頼者は「不貞を疑うこと」と「不貞を立証すること」は別物だと判断しました。決定打になったのは、家計に占める出張経費の不透明さと、自分の精神的疲労でした。「自分で追えば家庭が壊れる前に自分が壊れる」と気づいた段階で、複数の探偵業者の無料相談を比較し、出張帯同調査の実績がある事業者を選定。次の出張日程に間に合うよう、契約を14日前倒しで締結しました。
3. 調査計画と実施タイムライン
調査計画は「出張1サイクル目で行動パターンを掴み、2サイクル目で同伴女性を特定する」という二段構えで設計されました。Day 1の無料相談で疑念の3要素(香水・スマホ位置・土産頻度)を整理し、契約。Day 4までに夫の出張スケジュールを依頼者経由で再確認し、移動経路・宿泊予定地を想定します。Day 7、夫の出張1サイクル目で兵庫から東京まで尾行し、宿泊ホテルを特定しました。Day 10、次の出張サイクルで同伴女性との合流地点と滞在時間を撮影し、不貞の確証となる写真を取得。Day 14に行動記録・写真30点を綴じた報告書が依頼者宛に納品されました。重要なのは、1回の出張だけで結論を出していない点です。日本調査業協会の業務指針に沿うなら、不貞認定には「同一相手と複数回・継続的に行動を共にしている事実」が要求されます。1回限りの撮影では、後の弁護士交渉で「業務上の同行ではないか」と崩される余地が残るため、二段階での確証が定石です。
4. 調査結果と費用内訳
本ケースの想定費用は合計62万円(税抜)。レンジで言えば42〜72万円で、内訳の中央値が62万円という想定です。基本料金は調査員2名×8時間×出張帯同日数で計37万2,000円(全体の60%)。経費は兵庫から東京の新幹線往復・宿泊で13万6,400円(22%)。機材費は望遠ズーム・録画機材で6万2,000円(10%)。報告書(写真30点・行動記録・送付)が4万9,600円(8%)。合計100%、各区分の実額合計が62万円と一致することを確認済みです。出張帯同型はホテル特定までの待機時間が長く、人件費比率が高くなる傾向があります。地元での尾行と異なり、調査員が現地に滞在する時間そのものが費用に直結するため、依頼前に「調査員1名×時間単価×想定時間」と「経費」を別建てで見積もる事業者を選ぶのが定石です。結末としては、報告書を弁護士に持ち込み、不貞慰謝料250万円で和解。離婚するか婚姻継続するかは、依頼者側で保留としています。
5. 解決後の選択肢(弁護士相談・離婚・和解)
確証となる報告書を手にした後、依頼者が現実的に取れる選択肢は大きく3〜4案あります。離婚を前提にするか、婚姻継続のうえで不貞相手にだけ慰謝料請求するかで、進め方も費用感も変わります。本ケースでは「弁護士同行で示談交渉」を選び、相手方女性に対する慰謝料を250万円で和解しました。離婚そのものは保留にし、夫婦間の財産分与・親権協議は別建てとしています。下表は同等の事案で実務上採られやすい3案の比較です。
| 選択肢 | 費用感 | 期間 | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 弁護士同行で示談交渉 | 着手金10〜30万円+成功報酬10〜20% | 1〜3か月 | 非公開で進められ精神的負担が軽い | 相手方が応じない場合は調停に移行 |
| 家庭裁判所の調停 | 申立費1,200円+弁護士費用 | 3〜9か月 | 調停委員が間に入り中立的に進む | 相手方欠席だと不成立リスク |
| 配偶者と直接協議 | 実費のみ | 数週間〜 | 費用が最小、関係修復も視野に入る | 感情的になりやすく合意が崩れやすい |
判断軸は3つ。短期決着なら示談、関係修復を残すなら直接協議、相手方の所在が遠方や法人を絡む場合は調停が機能しやすい構図です。なお最高裁第三小法廷 平成31年2月19日判決(損害賠償請求事件)は、不貞相手に対し「離婚そのものについての慰謝料」を請求する場合、原則として認められない旨を示しています。請求は「不貞行為そのもの」を理由とする慰謝料に絞るのが安全です。
6. このケースから学ぶ編集部解説
本ケースの想定費用62万円は、業界目安の中央値帯です。日本調査業協会の業務取扱料金の目安では、調査員2名×時間単価7,000〜8,000円が標準で、出張帯同型は経費比率が20%前後に膨らむのが通例。仮に出張先が海外だった場合、経費比率が35%超に跳ね上がる試算もあります。もう一点、警察庁が公表する探偵業の届出状況によると、全国の届出業者数は5,000件超で推移しており、参入の容易さゆえに事業者間の質のばらつきが大きいのが実情です。2024年4月1日施行の探偵業法改正で標識制度が整備され、事業者の選別はやりやすくなりました。「出張帯同の実績が複数ある」「経費を実費精算する」「契約書面に違約金条項がある」——この3点を契約前に確認すれば、想定費用レンジから大きく逸脱するリスクは抑えられます。
このケースの想定費用を、あなたの条件で再計算しませんか?
参照判例
- 最高裁判所第三小法廷:最高裁第三小法廷 平成31年2月19日判決 損害賠償請求事件(不貞相手に対する離婚慰謝料請求の枠組み)
- 探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法、2024年4月1日施行の改正で標識制度を整備)
