- 想定依頼者
- 40代 / 女性 / 看護師 / 愛知県名古屋市在住
- 想定期間
- 14日(依頼〜証拠取得まで)
- 想定費用レンジ
- ¥250,000 〜 ¥450,000
- 結末
- 相手の既婚事実・勤務先虚偽・過去5年で同種金銭授受トラブル2件を公開情報範囲で確認。婚約指輪契約と投資勧誘が動き出す前段階で撤退判断、被害金額0円。弁護士相談を経て民法709条に基づく慰謝料請求は見送り、消費生活センター(188)と警察相談(#9110)に情報共有。
- 参照根拠
- 刑法 第246条(詐欺罪)(ほか4件、記事末参照)
婚活アプリで出会った相手から半年で婚約を切り出されたが、勤務先名を検索しても役員一覧に名前がない、独身を強調するわりに「実家の挨拶」を半年延ばし続けている──。本ケースは、愛知県名古屋市の40代女性看護師が婚約・金銭授受の前段階で、想定14日・約25〜45万円の婚前調査により撤退判断を下した想定例を、刑法246条と PIO-NET 統計の参照根拠付きで編集部が再構成したものです。
1. このケースの背景と仮想ペルソナ
想定依頼者は名古屋市在住・40代女性・看護師、離婚歴あり。再婚に向けて慎重に動いてきたタイプで、婚活アプリ経由で40代男性と知り合い、交際3か月で「来年には籍を入れたい」と婚約話が進行中でした。男性は自称「外資系コンサル管理職」、独身と申告。家族関係は両親が県外で、依頼者本人と相手2人の合意でほぼ動いている状態です。決定的に違和感を抱いたのは、婚約指輪購入の打合せと「投資商品を一緒に始めないか」という話が同時期に切り出され、勤務先住所を「機密扱い」と曖昧に説明された場面でした。看護師という職業柄、夜勤・日勤シフトで相手の生活実態を観察できる時間が限られ、自力での裏取りには限界があったのも特徴です。
2. 依頼に至るまでの経緯
依頼者はまず自力で公開情報を確認しました。相手の名乗る会社名で検索しても役員一覧・公式プレスに名前が出ず、SNSの過去投稿には別の女性とのツーショットが削除されかけている形跡があり、「以前一緒に旅行した相手」と問えば曖昧にはぐらかされる。この段階で「結婚詐欺かもしれない」と感じても、警察に行ける材料はありません。結婚詐欺は刑法246条の詐欺罪として立件されるが、(a)欺罔行為、(b)錯誤、(c)財産的損害の3要件が必要であり、まだ金銭被害が発生していない段階では警察は動けないのが現実です(参考:刑法246条/e-Gov)。
消費生活センター(局番なし188)と警察相談専用ダイヤル(#9110)に問い合わせたところ、いずれも「先に相手の実態確認を進めてから判断したほうが早い」とのアドバイス。婚約指輪契約と投資勧誘が重なるタイミングを止めるため、依頼者は2024年4月1日施行の改正探偵業法に基づき届出を出している正規業者を3社比較し、契約に踏み切りました。
3. 調査計画と実施タイムライン
本ケースは「動きが速い案件」(婚約指輪購入・投資話が同時進行)であるため、無料相談から報告書納品まで14日以内で組み立てる短期集中型の計画になりました。確認軸は(1)勤務先実在性、(2)婚姻情報、(3)過去交際関係のトラブル履歴の3点。Day1で基礎情報整理(相手の本名・生年月日・名乗っている会社名・住所地・SNSアカウント・写真)を行い、Day4までに勤務先の実在性と役職を公開情報・登記情報・業界紙バックナンバーで照合。Day8には対象者の住民登録地周辺の行動確認と、公開情報範囲での婚姻関係の手がかりを並行収集。Day11は過去5年の対象者周辺で起きたトラブル情報を、報道・公開された苦情・相談データから整理。Day14に書面報告書を納品しました。戸籍そのものは戸籍法に基づき本人・配偶者・直系親族など限定された範囲しか請求できず、第三者が無断で取得することは戸籍法違反です。正規業者が確認できるのは、勤務先実態・SNS等の公開された社会的活動・公開情報範囲の婚姻歴の有無までです。
4. 調査結果と費用内訳
結果として、相手は配偶者あり(既婚を隠した婚活=婚姻予約破棄に当たる不法行為、民法709条)、勤務先は虚偽(実態は別業種の契約社員)、過去5年で同様の婚約・金銭授受トラブルが少なくとも2件、公開情報範囲で確認できました。婚約指輪契約・投資勧誘の双方が動き出す前段階で撤退判断ができたため、被害金額は0円です。費用は¥320,000(税抜)の想定で、内訳は基本料金60%(7,500円/h × 4h × 2名 × 4日)、経費15%(名古屋市内移動と東京1往復の交通費)、機材費12%(望遠ズーム・暗所補正)、報告書13%(写真15点と公開情報照合の体裁整え)。日本調査業協会が公表する業界目安(2名体制1日24,000〜32,000円)と PIO-NET 集計の中央値帯から編集部が再構成した数値で、相手の行動量・地域差・出張回数で増減します。
5. 解決後の選択肢(弁護士相談・自治体窓口・社内通報など)
本ケースは被害発生前の撤退に成功したため、調査後の動きは「金銭被害ゼロでの離脱」と「同種被害の二次予防」が論点になりました。婚約解消そのものに法的損害賠償を請求するか、消費生活センターと警察相談に情報共有して同種被害の抑制に回るか、判断は分かれます。下表は、依頼者が現実的に取り得る4つの選択肢を、費用感・期間・強み・注意点で並べたものです。
| 選択肢 | 費用感 | 期間 | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 探偵業者の婚前調査(本ケース) | 25〜45万円 | 14日前後 | 勤務先実態・公開情報範囲の婚姻歴・過去トラブル履歴を一括把握 | 戸籍そのものは取得不可。違法調査を持ちかける業者は届出標識(2024年4月1日施行の改正探偵業法)で確認 |
| 弁護士相談(不法行為検討) | 初回30分5,000円〜/本格依頼15万円〜 | 1〜3か月 | 民法709条に基づく慰謝料請求の可否を法律家視点で判定 | 金銭被害ゼロの場合、慰謝料請求の現実性は限定的 |
| 消費生活センター(局番なし188) | 無料 | 即日 | マッチングアプリ・結婚相談所の被害動向と相談記録(PIO-NET)の蓄積 | 強制捜査権限なし。情報共有・相談助言が主 |
| 警察相談専用ダイヤル(#9110) | 無料 | 即日 | 同種事案の有無確認、被害発生時の刑事告訴ルートに接続 | 金銭被害が発生していない段階では着手は限定的 |
本ケースの依頼者は、弁護士相談で「金銭被害ゼロのため慰謝料請求は見送り、相手側の既婚事実と過去トラブル履歴は消費生活センターと警察相談に情報共有する」というハイブリッド型を選びました。
6. このケースから学ぶ編集部解説
編集部の見立てとして、結婚詐欺・婚約金銭授受トラブルは「被害発生前」の段階が最も対処しやすく、かつ最も警察が動きにくい時間帯です。刑法246条の詐欺罪は欺罔・錯誤・財産的損害の3要件が揃って初めて立件されるため、婚約指輪と投資勧誘が同時に動き始める瞬間こそ実態確認のラストチャンスといえます。マッチングアプリ運営の本人確認は公的書類提示までが上限で、婚姻歴の照合はできないのが業界の現実で、PIO-NET でも結婚をエサにした投資勧誘型の相談は近年増加傾向にあります(参考:警察庁 犯罪統計、国民生活センター PIO-NET)。「気づいたら撤退できる体制」を、契約・登記・公開情報の照合で先回りすることが、想定費用25〜45万円の現実的な使い道です。
婚約や結婚を真剣に検討する前に、相手の実態確認の進め方を整理しませんか?
